白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

関東社会学会2010年度第2回例会「依存・ケア・正義」

今週末の2011年3月12日(土)14:00〜17:00、関東社会学会2010年度第2回例会が「依存・ケア・正義−テーマ部会B「社会学における公共性の諸相」と連動して」と題して、東洋大学(東京都文京区)で開かれます。
「正義論、公共性論、社会秩序論に理論的関心をお持ちの研究者のみならず、ご自身のケア・被ケア体験を言語化・一般化しようと模索しておられる方々のご参加をお待ちしております」とのことです。
詳しくは同学会のホームページをご覧ください。↓
http://wwwsoc.nii.ac.jp/kss/meeting/information.html#section_2
当日は、小社刊エヴァ・キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』の訳者の一人である山本千晶さんが、「〈つながりにもとづく平等〉へ向けて――エヴァ・キテイ『愛の労働』からの提起(仮)」と題して報告されます。
以下、関東社会学会ホームページから引用。

山本千晶(目白大学短期大学部
「〈つながりにもとづく平等〉へ向けて――エヴァ・キテイ『愛の労働』からの提起(仮)」
ギリガンによって提示されて以来、「ケアの倫理」は既存の法的思考に対する批判的視点として、主に議論されてきた。したがって、「ケアの倫理」に対する、批判的な足場という以上の、オルタナティブな理論としてのある程度の一般化可能性は可能か否か、という問いが生じる。ケアの倫理に代表されるような具体的で特別な関係性から、何か規範的基盤を導けるのか、というこのような問いは、同時に、ケアをめぐる理論と実践の関係に対する重要な問題提起でもあるだろう。本報告では、「依存者」と「依存労働者」という具体的関係性に焦点をあて、これらの人々を含むすべての人が平等であるような平等概念およびそのための条件を模索しているエヴァ・キテイ『愛の労働』を導きの糸としながら、これらの問題を考えてみたい。

山本さん、応援していますよー。