白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「みすず」読書アンケート特集

小社から刊行した林少陽著『「修辞」という思想―章炳麟と漢字圏の言語論的批評理論』が、みすず書房さんの「みすず」1・2月合併号の読書アンケート特集で紹介されました。
この読書アンケート特集は、2010年中に読んだ本のうち「新刊・旧刊を問わず」興味を感じたものを5点挙げる、というもので、142名の方々が回答を寄せられています。
取り上げて下さったのは、『ヴィーコの懐疑』などのヴィーコ研究やスピヴァクサバルタンは語ることができるか』の翻訳で有名な上村忠男先生(学問論・思想史)です。みすず書房さんの上村先生紹介ページ→http://www.msz.co.jp/book/author/14086.html

以下に該当箇所を抜粋します。

2 林少陽『「修辞」という思想―章炳麟と漢字圏の言語論的批評理論』(白澤社、二〇〇九年)
漢字圏の批評伝統のなかから、「辞を修め、其の誠を立つる」という理念を取り出しつつ、近代化の過程で抑圧されてきた「文」の脱構築的な機能の復活を図ろうとした注目すべき労作。章炳麟については、辛亥革命の主導者のひとりとしての角度からであったが、若いころから関心を寄せてきた。本書では、この民族革命家の政治思想と言語論との密接な関係があぶり出されていて、興味深く読ませてもらった。

ちょうど寒さもやわらいだ今日、社内もあたたかい空気につつまれました。
上村先生、ありがとうございました。
なお、『「修辞」という思想』の著者、林少陽さんは、本書刊行時は東京大学特任准教授でしたが、その後、香港城市大学へ移られ、現在は同大学で中文系副教授として活躍されています。

なお、小社刊行物は(株)現代書館を発売元として全国の主要書店やオンライン書店で販売されています。ご注文は各書店様か小社へお願いいたします。このブログではご注文を受け付けておりません。
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