白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

白澤な日々

「自然は芸術を模倣する」

岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』の読者からご質問をいただいておりました。 ご質問の趣旨は次のようなものです。 『三木清『人生論ノート』を読む』の105頁に「自然は芸術を模倣するというのはよく知られた言葉である」とあるが、芸術は人間の営…

甦った累怪談

〈江戸怪談を読む〉叢書の記念すべき一冊目は累(かさね)怪談の原典『死霊解脱物語聞書』(小二田誠二・解題・解説)でした。前回ご紹介した『四ツ谷雑談集』にも影響を与えた物語です。北関東の農村で起きた憑霊事件を、当事者たちへの聞き取り調査から再…

夏だ!怪談だ!

久しぶりに青空が見えたと思ったら、真夏の日差しがドーンと押し寄せてきました。夏といえば、怪談です。小社では〈江戸怪談を読む〉と銘打って、近世怪談に現代語訳と注釈を添えてご紹介するシリーズを刊行しております(既刊5冊)。『死霊解脱物語聞書』…

小社へのご連絡は

まれにこのブログのコメント欄に、お仕事がらみのご連絡をいただくことがあります。このブログは、小社の出版活動についてのお知らせと、編集や営業の業務のあいまに感じたことなどをつづっています。このブログのコメント欄での業務上のご連絡のやりとりは…

哲学的ゾンビ

ゾンビの話が続いたので、ゾンビの話をしましょう。永野潤著『イラストで読むキーワード哲学入門』には「哲学的ゾンビ philosophical zombie」の項があります。哲学的と銘打つからにはただのゾンビではありません。 「哲学的ゾンビ philosophical zombie」と…

生きられた身体

生きている死体 Living Dead といえばゾンビのことですが、生きられた身体という言葉が哲学にはあります。永野潤著『イラストで読むキーワード哲学入門』の「生きられた身体 lived body」の項では次のようなイラストが提示されています。 このブログで前回ご…

現象学とはなにか?

現象学とはなにか?といえば、そのものズバリのタイトルを掲げた新田義弘『現象学とは何か――フッサールの後期思想を中心として』(講談社学術文庫)をはじめとして、木田元『現象学』(岩波新書)から、谷徹『これが現象学だ』(講談社現代新書)や、植村玄輝・…

驚きは哲学の始まりだった?!

永野潤著『イラストで読むキーワード哲学入門』は先月刊行したばかりの新刊なのに、某大手オンライン書店では品切れ状態が続いているのに驚きました。もちろん在庫は十分にございます、新刊ですから。しかも、新刊書店での定価は本体1800円+税なのに、気の…

牡丹の花が赤いのは…

昨日は、埼玉県秩父市まで足を延ばして、秩父困民党ゆかりの地を訪ねてまいりました。 写真は散策の途中で拝観した牡丹の寺・少林寺さんの庭に咲く深紅の牡丹です。ところで、牡丹の花の赤さとは何なのか?という議論が、新刊『イラストで読むキーワード哲学…

哲学は愛知県?

めでたく発売となりました新刊、『イラストで読むキーワード哲学入門』(永野潤著)は冒頭から衝撃的です。本書は52の哲学のキーワードについて簡潔な解説とイラストで説明しています。最初のキーワードは「哲学」。その「哲学」の頁のイラストが、これ↓なん…

開花宣言

暖かい風に誘われてぶらぶら散歩していたら桜の花を見つけました。神田川沿いの桜並木。太い幹から吹きこぼれるように咲いていました。 枝先にも今にもほころばんばかりのつぼみが。お花見シーズン到来ですね。

ホワイトデーに三木清を!

今日はホワイトデーですね。プレゼントには定番のお菓子もいいですが、本もすてきな贈り物になります。義理チョコのお返しに『希望について―続・三木清『人生論ノート』を読む』(岸見一郎著)はいかがでしょう。同じ岸見一郎さんによる『三木清『人生論ノー…

『世界』2019年4月号に広告

ただいま発売中の雑誌『世界』2019年4月号に広告を出しました。 今回のラインナップは、次の三点です。長谷川亮一著『教育勅語の戦後』岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』高橋哲哉・岡野八代共著『憲法のポリティカ―哲学者と政治学者の対話』いずれ…

ひな祭りに牡丹灯籠?

もうすぐ桃の節句、ひな祭りですね。ひな祭りにふさわしい本をおすすめしたいと社内で提案したら、『〈江戸怪談を読む〉牡丹灯籠』がいいということになってしまいました。はあ?ひな祭りに牡丹灯籠?何を考えているのでしょうね。とはいえ、よく考えてみれ…

猫の日には化け猫を

今日2月22日はニャンニャンニャンの語呂合わせで猫の日なのだそうですね。猫の日には化け猫怪談はいかがでしょう。小社の人気シリーズ(当社比)〈江戸怪談を読む〉叢書には化け猫怪談を取り上げた『猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)があります。本…

バレンタインに江戸怪談を

今日はバレンタインデーですね。プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。 小社の新刊『新選百物語――吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)はいかがでしょ…

かんたん鴨鍋の作り方―『新選百物語』より

こう寒い日が続きますとやはり鍋物がありがたいですね。今夜の夕食に鴨鍋はいかがでしょうか。『新選百物語』巻五の「鳬におどろく五人の悪者」に、権九郎という男が狐のくわえた鴨を横取りして「ねふかを求めて吸物こしらへ」とあるのをヒントに考えてみま…

2018年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。明日から年明け1月6日まで、年末年始のお休みとなります。2018年1月7日から平常通りに営業いたします。今年は、下記の六点の単行本を刊行いたしました。 **『カントの政治哲学入門』[書 名]カントの政治哲学入門[副 題…

名物うばが餅

百物語グルメの第二弾は「うばが餅」です。『新選百物語』巻二の第二話「鼠にひとしき乳母が乳房」の冒頭で、江州草津(滋賀県草津市)の名物として、うばが餅が紹介されています。誰が言いだしたのか、この餅を食べると閻魔大王が生前の罪を一つ取り消して…

おいしい狸汁の作り方

寒い夜は鍋物があたたまりますね。そこで狸汁の作り方をご紹介します。レシピは『新選百物語』巻一の第三話「くりかえす狸汁の食傷」の頭注に引かれている江戸時代の料理書『料理物語』(一六四三)の記述を参考にしました。なお狸汁はもちろん狸(タヌキ)…

冬に怪談?──『新選百物語』

新刊『新選百物語──吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳)は今日発売されました。 冬に怪談?と驚かれますが、装幀をご覧ください。 白地に青と赤、深緑の帯、この配色はクリスマスの贈り物にピッタリではありません…

岸見一郎『希望について―続・三木清『人生論ノート』を読む』

今夜はNHKEテレ「100分de名著」の「三木清『人生論ノート』」の第4回のアンコール放送があります。2018年11月26日(月)午後10:25~10:50/Eテレ番組の案内はこちら↓http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/64_jinseiron/index.html今夜の放送では、三…

「ひとは孤独を逃れるために独居しさえする」三木清

11月17日付朝日新聞朝刊の人気コラム「折々のことば」で三木清の言葉が紹介されていました。 ひとは孤独を逃れるために独居しさえする 哲学者の鷲田清一さんが、次のように解説していました。 人は大勢の人の間にあっても、というかその中でこそ孤独であると…

『三木清『人生論ノート』を読む』はホントにあります

先週、オンライン書店hontoさんで日本思想hontoランキング1位になった岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』ですが、今日も日本思想hontoランキング第2位になっていました(2018年11月14日18時現在)。https://honto.jp/netstore/pd-book_27900679.htmlそ…

岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』はあります

今夜はNHKEテレ「100分de名著」の「三木清『人生論ノート』」の第2回のアンコール放送があります。2018年11月12日(月)午後10:25~10:50/Eテレ番組の案内はこちら↓http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/64_jinseiron/index.html今夜は「自分を苦…

岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』日本思想honto ランキング第1位

昨日、オンライン書店アマゾンさんの「日本思想」ジャンルで1位になった岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』ですが、今日はオンライン書店hontoさんで日本思想ランキング第1位になりました(2018年11月07日13時現在)。正直言って、とてもうれしいです…

岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』「日本思想」ジャンルで1位!

昨夜NHKEテレでアンコール放送された岸見一郎さん解説の「100分de名著」三木清『人生論ノート』の第1回、反響が大きかったようです。今朝、小社刊・岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』が、某大手オンライン書店の「日本思想」ジャンルで1位! …

個性と幸福―三木清『人生論ノート』より

今夜は待ちに待ったNHKEテレ「100分de名著」の「三木清『人生論ノート』」のアンコール放映、第1回が放送されます。。番組の案内はこちら↓http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/64_jinseiron/index.html小社刊『三木清『人生論ノート』を読む』の著者…

三木清『人生論ノート』、岸見一郎氏解説「100分de名著」アンコール放映!

昨年、『三木清『人生論ノート』を読む』の著者・岸見一郎さんの解説で好評を博したNHK・Eテレの番組「100分de名著」の三木清『人生論ノート』の回が、この11月にアンコール放映されます。番組の案内はこちら↓http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/64_…

第28回神保町ブックフェスティバル

昨日は神保町ブックフェスティバルに行ってきました。昨夜はハロウィンということで、渋谷あたりはたいそうな人出だったそうですが、こちらも負けてはいません。本の街神保町も夕方になると、「もう今日だけ!半額の半額っ!」なんていう声も響いて、たいへ…