白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

白澤な日々

『安政コロリ流行記』散歩、その四 妻恋稲荷と野狐

安政五年(1857)のコレラ禍の当時、仮名垣魯文が住んでいたのは湯島妻恋町。町名の由来は同地にある妻恋稲荷(文京区湯島3丁目)によるものだとか。 今はマンションやビルに囲まれた一画に妻恋神社(妻恋稲荷)があります。この界隈がかつての湯島妻恋町で…

『安政コロリ流行記』散歩、その三 水谷稲荷はどこに?

安政五年(1857)にコレラ禍に襲われた幕末の江戸では、社会不安からかさまざまな流言が広まったことが『安政コロリ流行記』に記録されています。前回は、佃島で「野狐」に憑かれた事件をご紹介しましたが、現在の銀座あたりでも狐憑き騒動がありました。 旧…

『安政コロリ流行記』散歩、その二 尾崎大明神

新刊『安政コロリ流行記―幕末江戸の感染症と流言』は、安政五年(1857)にコレラ禍に襲われた幕末江戸の世相を描いたドキュメントですが、当時話題になった奇談をいくつも記録しています。 そのうちの一つに、佃島(東京都中央区佃)の狐憑き騒動があります…

『安政コロリ流行記』散歩、その一 谷中の猫

新刊『安政コロリ流行記―幕末江戸の感染症と流言』ヒット祈願のため、『安政箇労痢流行記』の原著者、仮名垣魯文のお墓参りに行ってきました。 篠原進さんに寄せていただいた巻頭言(「江戸のネコ歩き―安政の魯文」)によれば、魯文のお墓は、東京都台東区谷…

今日はサン・ジョルディの日

今日4月23日はサン・ジョルディの日、ユネスコの提唱した「世界 本の日」です。 詳しいことは、こちらのサイトをご覧ください。↓ 世界本の日 サン・ジョルディの日::日本書店商業組合連合会「本屋さんへ行こう!」 (n-shoten.jp) ぶっちゃけて言えば、バレン…

神田川沿いの桜並木

小社事務所近くの神田川沿いの桜並木です。 満開というより、九分咲きといったところでしょうか。

【悲報】ホワイトデーに間に合わない!重版のお知らせ

もうすぐホワイトデーですね。プレゼントのお返しはお決まりですか? 定番のクッキーもいいですかが、本もすてきな贈り物になります。 今話題の『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(J・トロント著、岡野八代訳・著)はお手頃感があって、義理…

謹賀新年2021

あけましておめでとうございます。 白澤社は本日より通常通りの営業を始めました。 今年(2021)は丑年。 省みれば創業以来、鈍牛のような歩みの小社が今日を迎えられたのは、ひとえにご購読下さった読者のおかげと存じ篤く御礼申し上げます。 重版したばか…

プレゼントには『ケアするのは誰か?』を

明日はクリスマス・イブですね。プレゼントはお決まりですか? 本もすてきな贈り物になります。 小社の新刊『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(J・トロント著/岡野八代訳・著)はいかがでしょうか。 カバー絵がハートウォーミングに見えま…

「介護の日」に『ケアするのは誰か?』をお薦めします

今日、11月11日は「介護の日」だそうです。 年老いた親や親族の介護を誰がするのか、一方にのみ負担が重くかかるとトラブルが生じたりもする悩ましい問題です。 好評発売中の『ケアするのは誰か?』(J・トロント著/岡野八代訳・著)は、「誰がケアするの…

鱗滝さん?

明日はハロウィンですね。ハロウィンの仮装には、禰豆子や伊之助もいいですが、鱗滝さんはいかがでしょうか。 鱗滝左近次 天狗の面をつけた男。 狭霧山の麓に庵を構え、鬼殺隊員の候補となる剣士を育てる「育手」を担っている。 『鬼滅の刃』アニメの公式サ…

『鬼滅の刃』にはまっています

営業担当は最近、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴作、集英社)にはまっています。 版元・集英社さんの公式サイト↓ https://www.shonenjump.com/j/rensai/kimetsu.html 累計一億部を突破したというこの漫画の魅力については、もはや言葉を費やす必要もないでしょう…

『思想』10月号に広告を出しました

ただいま発売中の雑誌『思想』2020年10月号(岩波書店)に広告を出広しました。今回の『思想』10月号はかなりお得な一冊です(個人の感想です)。 急逝の伝えられた人類学者D・グレーバー(『ブルシット・ジョブ』の著者)の論文「根本的他性、あるいは「…

皿屋敷はPlate House

お菊さんがテレビドラマにゲスト出演したとか喜んでいたら、イギリスの方から皿屋敷についてのお問い合わせのメールが来ました。もちろん英語です。 Baba Bunko のthe story of the Plate Houseについて知りたいとのことでした。英語では皿屋敷のことをPlate…

怪談新聞に横山泰子さん登場!

〈江戸怪談を読む〉シリーズでお世話になっている横山泰子さんのインタビュー記事が今朝の「怪談新聞」に掲載されていました! 「怪談新聞」とは、東京新聞8/18付朝刊の特集記事「<怪談新聞 法政大学江戸東京研究センター×東京新聞>江戸に響く 恨めしや〜…

明晩、お菊さんがテレビドラマにゲスト出演!

「オリコンニュース」によれば、明晩、皿屋敷のお菊さんが「テレビ朝日系土曜ナイトドラマ『妖怪シェアハウス』(8月1日スタート、毎週土曜 後11:15~深0:05)第2話にゲスト出演する」そうです。 https://www.oricon.co.jp/news/2168341/full/ えっ、違う…

7/26に出るっす!

7/26に出るっす! 来る7月26日は、文政八年(1825)七月二十六日に鶴屋南北作『東海道四谷怪談』が初演されたことにちなんで「幽霊の日」とされています。 この日、出るっす。 ほんとうに? ほんとうに出るっす。 何が? 書評続々の『新敬語「マジヤバイっ…

時短営業中

昨日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言が出されました。 やむなく臨時休業をせざるをえない書店さんも多く、大手版元さんの中には在宅勤務となったところもあるやに聞いております。 さいわい小社は元気に、近刊予定の『日本近代再考』(時…

健康について――三木清『人生論ノート』より

三木清『人生論ノート』より「健康について」と題されたエセーの冒頭の二章句をご紹介します。*、**で示した語注は白澤社編集部によるものです。 何が自分の為になり、何が自分の害になるか、の自分自身の観察が、健康を保つ最上の物理学*であるといふこ…

新大学生に勧めたい10冊

新大学生に勧めたい10冊を挙げるのが流行っているらしいので、便乗して小社刊行物の中から新大学生向けの本10冊を選んでみました。 『イラストで読むキーワード哲学入門』(永野潤著) 『三木清『人生論ノート』を読む』(岸見一郎著) 『カントの政治哲学入…

バレンタインデーに本の贈り物を!

今日はバレンタインデーですね。プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』は結婚についての本ですから、バレンタインデーの贈り物に最適!チョコレートとセットにしてもいいかもしれま…

謹賀新年2020

あけましておめでとうございます。白澤社は本日より通常通りの営業を始めました。今年(2020)は子年。猫の前の鼠とならず、せめて窮鼠猫を噛むよう(初笑)心がけてまいります。さて、本年最初のお知らせは、ご評判をいただき品薄状態の続いていた『愛の労働…

2019年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。明日から年明け1月5日まで、年末年始のお休みとなります。2020年1月6日(月)から平常通りに営業いたします。今年は、下記の4点の単行本を刊行いたしました。 **『イラストで読むキーワード哲学入門』 [書 名]イラストで読む…

プレゼントに『最小の結婚』はいかが?

今日はクリスマス・イブですね。プレゼントはお決まりですか?本もすてきな贈り物になります。 小社の新刊『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(エリザベス・ブレイク著/久保田裕之監訳)はいかがでしょうか。カバー絵のカップルのイラストがハートウォー…

『最小の結婚』原著者による献辞

ご好評いただいております『最少の結婚』の原著者エリザベス・ブレイク氏による献辞をご紹介いたします。 これまで法制度による懲罰的な扱いや社会的排除に苦しんできた、すべての同性パートナー、さまざまな形のケア・ネットワーク、アーバン・トライブ、親…

首里城「白澤之圖」発見!

首里城火災で焼失を心配されていた首里城所蔵の「白澤之圖」の現存が確認されたそうです。琉球新報11月6日付の記事「首里城火災:県指定文化財3点の現存確認 一部、変化も」↓によれば、https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1021170.html「沖縄県や沖縄総合…

首里城火災と「白澤之圖」

ハロウィンに浮かれていた昨日、たいへんなニュースが飛び込んできました。沖縄の首里城火災です。琉球王朝時代を偲ぶことのできる建造物が焼失したことはまことに残念でなりません。それだけでもショッキングでありますのに、小社としては、首里城所蔵の「…

江戸前の人魚―『異世界と転生の江戸』より

いよいよ明日はハロウィンですね。どんな仮装にしようか迷っている方は、西洋妖怪もいいですが、和物はいかがでしょう。新刊『異世界と転生の江戸』(今井秀和著)には、江戸時代の奇妙な生物たちが登場します。例えば、人魚はどうでしょう。夜風の冷たいこ…

天狗in『異世界と転生の江戸』

もうすぐハロウィンですね。ハロウィンの仮装に天狗はいかがでしょうか。新刊『異世界と転生の江戸』(今井秀和著)前半の、異世界サイドの主役は天狗だと言ってもさしつかえありません。今井さんは本書をこんなふうに書き出しています。 「第一章 「仙境」…

特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」

国立民族学博物館で開催中の特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」(11/26まで)を見学してきました。 小社の好きな江戸の怪異関連では、人魚、河童から、天狗のミイラまで多数展示されていました。もちろん海外の幻獣もたくさんご来場で、ジェニー・…