白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

東大入学式総長式辞が『ケアするのは誰か?』に言及

4/12に行われた令和4年度東京大学学部入学式総長式辞で、藤井総長がトロント(著)/岡野八代(訳・著)『ケアするのは誰か?』に言及しました。

総長式辞より該当箇所を引用します。

「 「ケア」に関して、政治学者のジョアン・トロントは、Who cares?という秀逸なタイトルの本を著しています。Who cares?は、直訳すれば「ケアするのは誰か」という問いかけですが、英語圏の日常会話では多くの場合「知ったことか」という切り捨ての意味で用いられます。この「そんなことは知らない、ケアなどするものか」という姿勢が、尊大なマジョリティやエリートのなかに蔓延しがちであること、「自分たちが社会から自立して存在しているのだ」と考えるような危険なものであることを、トロントは批判的に指摘しています。その意味で「ケアレス」とは、単なる不注意によるミスなのではなく、関わりあわないと決めてしまっているがゆえの鈍感さや傲慢さなのではないか、常に自省が必要です。」

令和4年度東京大学学部入学式 総長式辞 | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp) より。

第5刷出来の『ケアするのは誰か?』については小社ホームページをご覧ください。

ケアするのは誰か? | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

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『図書新聞』に『クダン狩り』書評掲載!

本日発売の『図書新聞』6569号に、東雅夫編著『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』の書評が掲載されました。評者は朝里樹さん。

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「底知れぬ恐ろしさと魅力」という見出しで本書の魅力を紹介してくれました。冒頭の部分から引用します。

「「クダン」とは漢字で「件」と書く。人偏に牛と記すその名前が表すのは、人間の頭と牛の体を持った妖怪だといわれている。まれに牛から生まれることがあり、疫病や農作、戦争などについて予言し、数日で死ぬ。その予言は必ず当たる、などと語られる妖怪である。また自分の絵を家に張っておけば災厄を免れることができる、などと言ったという話もある。

 本書は著者である東雅夫氏が、そんな人面牛身の妖獣、件、そして件に関連する現代の怪談「牛の首」や「牛女」などに迫った記録の集大成である。」

このように朝里さんは本書のテーマ「クダン(件)」の説明をしてから本書の内容を詳しく紹介してくださいました。

そして、「「クダン狩り」を志す人々に多大な影響を与えることになるであろう」という「予言」でしこの書評はしめくくられています。

評者の朝里樹さんは、言わずと知れたあの『日本現代怪異事典』(笠間書院)の編者。

もちろん「クダン」も「牛の首」も「牛女」も同事典に載っています。

朝里さん、ありがとうございました。

ちなみに、この書評が掲載されている『図書新聞』6569号には、伊藤慎吾・氷厘亭氷泉編『列伝体・妖怪学前史』勉誠出版の書評(評者・廣田龍平氏)も掲載されているという、お化け好きには記念碑的な号になっております。

図書新聞さんのサイト↓

今週の図書新聞 (toshoshimbun.com)

書評続々の『クダン狩り』は好評発売中です。

『神奈川新聞』に『クダン狩り』書評掲載!

『神奈川新聞』2022/4/3書評面で、東雅夫編著『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』が紹介されました。評者は下野綾さん。

「禁忌に触れる恐れと誘惑」という見出しで本書の特徴を手際よく紹介してくれました。

「半人半獣のクダンは生まれて間もなく、戦争や、はやり病などの予言を残して死んでしまうという。」

「禁忌に触れる恐れが誘惑となり、人はクダンに魅了されるのかもしれない。」

下野さん、ありがとうございました。

『クダン狩り』は好評発売中です。

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営業よりお知らせ

お知らせが二つあります。

好評発売中のジョアン・C・トロント(著)/岡野八代(訳・著)『ケアするのは誰か?』、第4刷も品薄になってまいりましたので、近々に重版(第5刷)することになりました。

これもご愛読くださいました読者の皆様のお蔭と存じ篤く御礼申し上げます。

『ケアするのは誰か?』の第5刷は4月13日出来予定です。

ケアするのは誰か? | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

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好評発売中の東雅夫編著『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』が、4月3日付のK新聞の書評欄で紹介されます。

掲載前に新聞名を明かすと載らなくなるという都市伝説を信じているのでK新聞がどこかは内緒です。

クダン狩り | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

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今日は4月1日ですが、いずれもほんとうの話です。

『月刊ムー4月号』で『クダン狩り』プレゼント

もうすぐホワイトデーですね。プレゼントのお返しはお決まりですか? 

定番のクッキーもいいですが、本もすてきな贈り物になります。

今話題の『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』(東雅夫編著)はロマンあふれる内容といい、アートの香り高い装幀といい、プレゼントにはうってつけです。

……と、アナウンスするつもりでいたら、なんと『クダン狩り』が『月刊ムー4月号』の読者プレゼント(3名様)の対象に選ばれました。

詳しくは発売中の『月刊ムー4月号』スーパー・ミステリープレゼントのコーナーをご覧ください。

『クダン狩り』がもらえる(かもしれない)『月刊ムー』のサイトはこちら↓

<新刊>ムー2022年4月号のお知らせ|ムーPLUS (muplus.jp)

なお『月刊ムー4月号』には、吉田悠軌さんの人気連載「牛が怖い」じゃなかった『女が怖い』其の4「傷心の「牛女」」が掲載されています。

神戸界隈で伝えられる牛女・牛娘怪談について、今を時めくオカルト探偵・吉田さんが健筆をふるっています。この記事でも『クダン狩り』が取り上げられています。

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『図書新聞』に『女性たちで子を産み育てるということ』書評掲載!

図書新聞』2022/3/12付(3534号)で、牟田和恵・岡野八代・丸山里美 著『女性たちで子を産み育てるということ―精子提供による家族づくり』が紹介されました。評者は藤井ひろみ先生(大手前大学国際看護学部教授)。

1面に掲載された見出しを引用します。

精子提供によって女性たちで子を産み育てようとする経験」

「妊娠、出産という命がけの過程を何ら社会的保証なしに歩む女性たちの、まさに命の問題としてこのテーマは捉えられなければならない」

藤井先生、ありがとうございました。

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