白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

バレンタイン・クダン

今日はバレンタインデーですね。プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。

幻想的な装幀といい、文学的な香り漂う内容といい、プレゼントにぴったりの『クダン狩り――予言獣の影を追いかけて』(東雅夫編著)のご用意はおすみでしょうか?

帯の色合いもチョコレートそのものの『クダン狩り――予言獣の影を追いかけて』(小社ではチョコレートは扱っておりません)。↓

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ただいま『クダン狩り』は某大手ネット書店で在庫払底となっておりますが、全国の主要書店ならびに他のオンライン書店では好評発売中です。

なお2/12(土)の『クダン狩り』刊行記念トークイベントはおかげさまで盛会のうちに終了いたしました。

ご登壇の東雅夫、笹方政紀、箕輪千絵子、今井秀和の各先生、ご参加いただいた皆様方に篤く御礼を申し上げます。

『月刊ムー3月号』に『クダン狩り』!

『月刊ムー3月号』に東雅夫編著『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』がドーンと掲載されています。

東さんご執筆の特集記事、「「予言獣」伝説」です。アマビエ、狐狼狸、神社姫、ヨゲンノトリ、クダンが取り上げられています。

そして、白澤も! 佐々木聡著『復元 白沢図』もご紹介いただきました。

『月刊ムー』さんの公式サイトはこちら↓

<新刊>ムー2022年3月号のお知らせ|ムーPLUS (muplus.jp)

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東京新聞』2022/2/5朝刊、『中日新聞』同2/6付書評面に取り上げられたばかりだというのに、これはクダンが生まれる前兆なのでしょうか。

なお、いよいよ明後日2/12開催の『クダン狩り』刊行記念トークイベント(オンライン)を下記の通りご案内いたしますのでふるってご参加ください。

『クダン狩り』刊行記念トークイベント

【日時】

2月12日(土)13時30分から15時。

【チケット】

このイベントはzoomによるオンライン開催(有料=1000円)です。

下記のサイトからお申し込みください。

予言獣クダンを語る:『クダン狩り』刊行記念トークイベント | Peatix

https://hakutakusha-event-220212.peatix.com/

『東京新聞』に『クダン狩り』書評掲載!

東京新聞』2022/2/5書評面で、東雅夫 編著『クダン狩り──予言獣の影を追いかけて』が「コロナで脚光の妖獣」と題されて紹介されました。評者は怪談文化に詳しい横山泰子先生(法政大学)。

コロナ禍で脚光をあびた予言獣「アマビエ」と比較し、同じ予言獣ながら禍々しい予言をするクダンをめぐる東氏の文芸紀行を「貴重な記録として妖しい輝きを見せている」と評して下さっています。

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「では、予言獣とは何だろう。その問題に迫るには、予言獣「クダン」について語らない訳にはいかない。」

「愛されるアマビエVS怖がられるクダン。日本の予言獣の世界、まことに奥が深いと知る。」

横山先生、ありがとうございました。

なお、本日、東京新聞書評欄で取り上げられた『クダン狩り』の刊行記念トークイベント(オンライン)が来週2/12に開催されます。

著者・東雅夫氏を囲んで、クダン研究を牽引する笹方政紀氏、『クダン狩り』の表紙絵の作者である画家・箕輪千絵子氏、さらに司会役として近世怪談の研究で知られる今井秀和氏を迎え、クダンの魅力を縦横に語るオンラインイベントです。

下記の通りご案内いたしますのでふるってご参加ください。

『クダン狩り』刊行記念トークイベント

【日時】

2月12日(土)13時30分から15時。

【チケット】

このイベントはzoomによるオンライン開催(有料=1000円)です。

下記のサイトからお申し込みください。

予言獣クダンを語る:『クダン狩り』刊行記念トークイベント | Peatix

https://hakutakusha-event-220212.peatix.com/

バレンタインデーに『クダン狩り』

もうすぐバレンタインデーですね。プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。

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『クダン狩り――予言獣の影を追いかけて』(東雅夫編著)は幻想的な装幀といい、文学的な香り漂う内容といい、プレゼントにぴったり。帯の色合いはチョコレートそのものです!

しかも、本書の主人公クダン(件)は予言獣として知られています。意中の人との未来がなんとなく気になる方もどうぞ。

なお、バレンタインデー直前の2/12には『クダン狩り』刊行記念トークイベントが開催されます。

著者・東雅夫氏を囲んで、クダン研究を牽引する笹方政紀氏、『クダン狩り』の表紙絵の作者である画家・箕輪千絵子氏、さらに司会役として近世怪談の研究で知られる今井秀和氏を迎え、クダンの魅力を縦横に語るオンラインイベントです。

下記の通りご案内いたしますのでふるってご参加ください。

『クダン狩り』刊行記念トークイベント

【日時】

2月12日(土)13時30分から15時。

【チケット】

このイベントはzoomによるオンライン開催(有料=1000円)です。

下記のサイトからお申し込みください。

予言獣クダンを語る:『クダン狩り』刊行記念トークイベント | Peatix

https://hakutakusha-event-220212.peatix.com/

 

クダンTシャツが届きました!

クダンTシャツが届きました!

好評発売中の『クダン狩り』の表紙を飾ったクダンの絵の作者・箕輪千絵子さんの描くクダンをプリントしたTシャツです。

こちら↓のサイトから販売ページに行けます。

shop - 箕輪千絵子 Minowa Chieko (chiekominowa.com)

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【写真はクダンTシャツを着て『クダン狩り』をお薦めする担当編集】

 

なお、来る2/12に『クダン狩り』刊行記念トークイベントが開催されます。

著者・東雅夫氏を囲んで、クダン研究を牽引する笹方政紀氏、『クダン狩り』の表紙絵の作者である画家・箕輪千絵子氏、さらに司会役として近世怪談の研究で知られる今井秀和氏を迎え、クダンの魅力を縦横に語るオンラインイベントです。

下記の通りご案内いたしますのでふるってご参加ください。

 

『クダン狩り』刊行記念トークイベント

【日時】

2月12日(土)13時30分から15時。

 

【チケット】

このイベントはzoomによるオンライン開催(有料=1000円)です。

下記のサイトからお申し込みください。

予言獣クダンを語る:『クダン狩り』刊行記念トークイベント | Peatix

 

【出席者紹介(敬称略)】

東雅夫(ひがし・まさお)

アンソロジスト、文芸評論家。1982年より『幻想文学』編集長、怪談専門誌『幽』編集長を歴任。主な著書に、日本推理作家協会賞を受賞した『遠野物語と怪談の時代』(角川選書)、『百物語の怪談史』(角川ソフィア文庫)、『クトゥルー神話大事典』(新紀元社)ほか、編纂書に『おばけずき 鏡花怪異小品集』(平凡社ライブラリー)、『文豪怪談ライバルズ!』(ちくま文庫)ほか多数がある。

 

笹方政紀(ささかた・まさき)

東アジア恠異学会会員。論文に「クダンと見世物」(『怪異を媒介するもの』勉誠出版、2015)、「新聞記事からみる怪異の形成―人面牛身の仔牛から「件(クダン)」へ」(『御影史学論集』四十二号、岩田書院、2017)、「戦時に件(クダン)を語る訳―戦時流言に関する一考察」(『世間話研究』第二十七号、岩田書院、2019)ほか多数。

 

箕輪千絵子(みのわちえこ

奈良県生まれ。浜口陽三生誕百年銅版画大賞(国際コンク-ル) 入賞、2010年 第7回 大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ展 大野城市長賞。件(くだん)や獣人をモチーフにした銅版画・水彩・鉛筆画などを制作。

 

今井秀和(いまい ひでかず)

専攻は日本近世文学、民俗学比較文化論。大東文化大学非常勤講師、蓮花寺佛教研究所研究員。著書に『異世界と転生の江戸──平田篤胤松浦静山』(白澤社)、『世にもふしぎな化け猫騒動』(訳・解説、KADOKAWA)、共著に『安政コロリ流行記』(白澤社)など。

 

ほかに白澤社から担当編集者。

 

平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』(集英社)

平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』(集英社)は第19回開高健ノンフィクション賞受賞作として先日発売されたばかりの新刊です。

著者の平井氏が満州開拓団として送り込まれた人たちから、特に女性たちの性被害について丹念に聞き取った記録をもとにした労作です。

重い内容の一冊でしたが、事件の主な証言者である「玲子さん」の、これを語り残しておかなければという思いに惹きつけられるようにして一晩で読み切ってしまいました。

本書の内容についてはすでに著者へのインタビュー記事や読者による座談会の記録が公開されており、下記に挙げておきましたのでそちらをご覧ください。

【記】平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』(集英社)関連サイト

版元・集英社さんのサイト↓

ソ連兵へ差し出された娘たち/平井 美帆 | 集英社の本 公式 (shueisha.co.jp)

 

著者・平井美帆氏へのインタビュー記事↓

第19回開高健ノンフィクション賞受賞「ソ連兵へ差し出された娘たち ――証言・満州黒川開拓団」平井美帆に聞く

聞かれてこなかった「声」に耳を傾けるということ

https://news.yahoo.co.jp/articles/6c0bb9dd9b0a210f4eaf9674f38af2b9bcf9a24b

 

開高健ノンフィクション賞選考委員の一人、田中優子氏(法政大学)と学生さんたちの座談会↓

ソ連兵へ差し出された娘たち——現代への問い 目を背けない法政大学前総長・田中優子さんと学生が語る:朝日新聞DIALOG (asahi.com)

 

以下はブログ担当の個人的な感想です。

慰安婦」問題に関する書籍の刊行から始まった小社にとって縁のあるテーマだと思いながら頁をめくりました。

本書は、第一章「満州への移住」で戦時下日本の庶民が国策により満州開拓団として送り込まれた経緯を、第二章「敗戦と終結」で日本の敗戦により満州に棄民された人々の苦難を、第三章「ソ連兵への「接待」」でソ連兵による暴行や略奪をかわすために未婚の女性たちが「接待」名目で差し出されたことを被害当事者の証言により描いています。

この第三章が本書のタイトル「ソ連兵へ差し出された娘たち」に直接かかわるパートですが、小社が特に興味深く読んだのは後半の第四章「女たちの引揚げ」、第五章「負の刻印」、第六章「集団の人柱」でした。

第六章で著者はこう書いています。

「共同体の防衛のためには、弱き存在から真っ先に生贄に捧げてしまう。皆のためにと、選ばれし者は指導者、隣人、ときに肉親からも背中を押される……。」(280頁)

「相互扶助の精神は、それぞれが個人として対等に尊重されて、初めてまともに機能する。村社会の「輪」、家族的な解決が無条件で先行すると、犠牲を強いられるのは、家父長制の序列で最下位にされる未婚の娘たちである。」(281頁)

犠牲のシステム(by高橋哲哉)ならぬ犠牲のエートスとでも言うべきものが事件の背後にあるようです。

しかし、困ったときは人柱というエートスを動かしていたのは、やはり犠牲のシステムだったのではないか?と思わせる記述が本書の後半に散りばめられています。

「玲子さん」を名指しできた「満人」の「客」がいた事実、性病予防の消毒や避妊の仕方に手慣れた「元衛生兵」の存在、ロシア語に堪能な元軍属らしき人物、さらには「玲子さん」の見た「三畳ほどの個室がずらりと並んでいる」「なんともいえない奇妙な空間」―ここは八路軍衛生部が宿舎として使っていたそうですが元はなんだったのか?

憶測を述べるのは控えておきますが、おそらくは著者も同じことを連想したのではないかなと思います。

『美術手帖2022年2月号』特集 ケアの思想とアート

美術手帖2022年2月号<br>特集 ケアの思想とアート|美術出版社 (bijutsu.press)

アートとケア、一見すると少し離れたテーマのように感じられるのですが、同誌の望月かおる編集長は、巻頭言でアメリカの哲学者エヴァ・フェダー・キテイの「他者への依存を不可避とし、偶然とも言える相互依存のなかで、他者のニーズを充たすためにときに奔走する人々の実践から世界をとらえる」という視点を引いて、それは「ケアする側とされる側両方への想像力をうながすようなもの」だとしています。

「現代美術のなかでもこうしたテーマに根ざし、社会のなかであえて蓋されがちなことを、作品という形で声にしてきた作家は多い。」(望月)

ケアは、小社が積極的に取り組んでいるテーマの一つでもあります。

しかも、エヴァ・フェダー・キテイと言えば、小社から日本語訳を刊行した『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』ではありませんか。

ケアの倫理からはじめる正義論 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)が評判の小川公代さんへのインタビュー「固定観念に抗う「ケアの時代」の想像の力」(田中みゆき=聞き手)ではジョアン・C・トロント/岡野八代『ケアするのは誰か?』が取り上げられています。

ケアするのは誰か? | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

そして、キテイ本の共訳者でもある岡野八代さんによるブックガイド「ケアの思想とは何か」(清水知子+岡野八代)では、『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』と『ケアするのは誰か?』が書影付きで紹介、しかもカラー(4色)! さすが美術雑誌。

さらに、美術批評家の杉田敦さんによる「ケアの思想から関係性へ」でもキテイさんの『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』が「ケアの考察に大きな発展をもたらしたきっかけのひとつ」として紹介されています。

「誰もがみな母親の子供であるという彼女の素朴な警句は、当事者だけに収束しがちな問題を、本来それがたたえているはずの広がりのなかに解き放ってくれた。」(杉田)

その杉田さんと美術家の田中功起さん、そして岡野八代さんによる鼎談「「ケア」を起点に考える、新しい社会のかたち」がこの特集の締めです。

美術手帖さんはTwitterを使っています 「【2月号ケア特集】「まったくフリーな『タブラ・ラサ』状態の個という西洋の伝統的な哲学の基盤をいったん忘れ、人間についてとらえ直さなければならないと思います」(座談会より、杉田敦)https://t.co/z28W0PoUIK https://t.co/ryE1dr4Y3O」 / Twitter

お三方の写真を見て、おや岡野さんと田中さんがおそろいの帽子、と思ったら、岡野さんは髪を染めているのでしたね。

美術手帖』さんでこんなに小社の本が取り上げられる日が来るなんて想像もしていなかったので、うれしい驚きにドキドキしながら読みました。