白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

怪談新聞に横山泰子さん登場!

〈江戸怪談を読む〉シリーズでお世話になっている横山泰子さんのインタビュー記事が今朝の「怪談新聞」に掲載されていました!

「怪談新聞」とは、東京新聞8/18付朝刊の特集記事「<怪談新聞 法政大学江戸東京研究センター×東京新聞>江戸に響く 恨めしや〜」のことです。

東京新聞さんのサイト→ https://www.tokyo-np.co.jp/article/49508

横山さんは熱心な記者さんの質問に答えて、『牡丹灯籠』、『番町皿屋敷』、『東海道四谷怪談』を例に挙げ、

 「江戸の街なかであった殺人事件を織り込んだ怪談もある。幽霊や妖怪など不思議なものが出てくるのに、どこか現実とつながっているのが、怪談が親しまれる理由の一つでは」

ブラック企業に勤めた女性が、不祥事の責任を押しつけられたような感じ。こういった話が怪談として世に出回った背景に、雇用が不安定な、江戸時代の女性の怨嗟(えんさ)も感じられる」

「女性は醜く化けさせてもいいという感覚があったのが一つ。それに、家父長制の社会で虐げられた女性が恨みを抱えている、という男性側の恐れも見え隠れする。いずれにせよ、女性差別が根っこにありそう」

(上掲、東京新聞サイトより抜粋)

 と、名調子で江戸怪談の面白さ、読みどころを解説しています。

さらに同記事では、『実録四谷怪談―現代語訳『四ツ谷雑談集』』編集の際にお世話になった於岩稲荷田宮神社の栗岩英雄さんも登場。矍鑠とした姿はお元気そうでなによりです。

この「怪談新聞」で取り上げられた江戸怪談『牡丹灯籠』、『番町皿屋敷』、『四谷怪談』についてはすべて小社〈江戸怪談を読む〉シリーズで読むことができます。

 

f:id:hakutakusha:20190718123304j:plain



 

明晩、お菊さんがテレビドラマにゲスト出演!

オリコンニュース」によれば、明晩、皿屋敷のお菊さんが「テレビ朝日土曜ナイトドラマ『妖怪シェアハウス』(8月1日スタート、毎週土曜 後11:15~深0:05)第2話にゲスト出演する」そうです。

https://www.oricon.co.jp/news/2168341/full/

えっ、違う? あ、間違えました。女優の佐津川愛美さんが、皿屋敷のお菊さん役でゲスト出演するのだそうです。記事はちゃんと読まないとだめですね。

佐津川愛美さんの演じる「お菊さんは、おどろおどろしいイメージではなく、アイドルポーズが得意なテンション高めの今どき女子風」だそうです。

お菊さんでアイドルといえば思い起こされるのが、日本各地の皿屋敷伝説のヒロインお菊さんたちを集めて、アイドル・グループOKK48を結成させた敏腕プロデューサー、じゃなかった、気鋭の民俗学者・飯倉義之さんです。

ちなみに「OKK48」は「お・き・くフォーティエイト」と読むのだそうです。

小社の〈江戸怪談を読む〉シリーズ『皿屋敷―幽霊お菊と皿と井戸』(横山泰子・今井秀和他著)の第四章「日本各地の「お菊」さん、OKK48」では、飯倉さんの選抜したお菊さんがずらりと紹介されています。

センターは『播州皿屋敷』のお菊さんと「番町皿屋敷」のお菊さんのツー・トップです。

江戸時代からすでにアイドルだったお菊さん、明晩のドラマでは、松本まりかさん演じる「お岩さん」との掛け合いもありそうで楽しみです。

f:id:hakutakusha:20150701163049j:plain

 

お部屋で過ごす夏休みのお供に『実録四谷怪談』

ようやく長い梅雨があけたと思ったら、いきなり真夏日となりました。

お部屋で過ごす夏休みのお供に最適なのが怪談本です。

今回は小社刊行の〈江戸怪談を読む〉シリーズより、『実録四谷怪談―現代語訳『四ツ谷雑談集』』(横山泰子序)をご紹介したいと思います。

鶴屋南北の歌舞伎『東海道四谷怪談』の源流となった江戸時代の実録小説の本格的な紹介です。

怨霊となったお岩さまはどんな女性だったのか? 色悪・伊右衛門の末路やいかに?

いくらでも深読みのできる面白い物語なのです。

江戸三大幽霊の一人に数えられるお岩さま、最近は2014年公開の『喰女-クイメ-』(三池崇史監督)で柴咲コウさんが演じて以来、映像から遠ざかっていましたが、先週から放映の始まったTVドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系、毎週土曜23:15~)で久しぶりに登場。

松本まりかさんの演じる「お岩さん」が「女をだますなんてクズ中のクズよ。復讐すべきよ!」と啖呵を切っています。

テレビドガッチさんの記事によれば、「松本まりかさんのお岩さん、女子がみんなに好きになるキャラ」と評判なのだそうです。↓

松本まりかの“眼帯美女”お岩さんに、ネットは「女子が好きになるキャラ」の声『妖怪シェアハウス』第1話」 2020.08.02 up

https://dogatch.jp/news/ex/83954/detail/

 

『実録四谷怪談』の元祖お岩さまは眼帯こそつけていませんが、「女をだますなんてクズ中のクズよ。復讐すべきよ!」というセリフにはきっと共感してくださるだろうと思います。

 

f:id:hakutakusha:20130717171511j:plain

 

『家族研究年報』で『最小の結婚』紹介

小社刊『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(E・ブレイク著、久保田裕之監訳)が、『家族研究年報 No.45』(家族問題研究学会、2020年7月)の書評欄で紹介されました。

家族問題研究学会さんのホームページはこちら→ http://jcfr.jp/

紹介してくれたのは千田有紀さんです。千田さんは本書の内容を詳しく紹介したうえで、最後に次のように評してくださいました。

「この本のタイトルが『最小の家族』ではなく『最小の結婚』であること、子どもの養育と結婚を分割して考えること、それがこの本を成功させていると思われた。「ケア」を基本に据えながら、結婚は正義に基づき、様々な道徳から解放され中立かつ公共的に定義されなければならない。また子どもの養育は、こうした「結婚」という枠組みからもまた、解放されなければならない。こうした理想の実現のために国家は適切に介入し、支援をしていくべきなのである。明快な主張であるが、それが緻密な理論的分析によって検討されているところが実に素晴らしい1冊であった。」

千田さん、ありがとうございました。

f:id:hakutakusha:20191118174308j:plain

 

読売新聞で『新敬語「マジヤバイっす」』紹介

小社刊『新敬語「マジヤバイっす」――社会言語学の視点から』(中村桃子著)が、7月26日付讀賣新聞の書評欄「本よみうり堂」で紹介されました。

讀賣新聞「本よみうり堂」さんのサイトはこちら↓

https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/

 紹介してくれた飯間浩明さんは国語辞典編纂者、言葉のプロです!

飯間さんは「国語辞典的に言えば、「っす」は俗に「です」を縮めた言い方にすぎません。ところが、著者と一緒に実際の会話を観察してみると、この「ス体」は、日本語の敬語の欠陥を補うものだということが分かります。」と、本書の核心をずばり指摘しています。

この書評の締めくくりで、飯間さんは興味深い指摘をしています。

「思えば、「です」という語尾も、江戸時代は遊里で使われた俗語でした。それが、近代には丁寧表現を担うようになり、知性的で洗練された印象と結びつきました。」

言葉は時代とともに変わっていくものなんですねえ、とあらためてしみじみ。

飯間さんは「「っす」も、今はあまり重要視されていませんが、いずれ将来の日本語を担うことになるかもしれない。著者はそう示唆しているような気がします。」とこの書評をしめくくっています。

飯間さん、ありがとうございました。

f:id:hakutakusha:20200304172521j:plain

 

7/26に出るっす!

7/26に出るっす!

来る7月26日は、文政八年(1825)七月二十六日に鶴屋南北作『東海道四谷怪談』が初演されたことにちなんで「幽霊の日」とされています。

この日、出るっす。

ほんとうに?

ほんとうに出るっす。

何が?

書評続々の『新敬語「マジヤバイっす」』(中村桃子著)の書評が、またまた出るっす!

7月26日付讀賣新聞読書面に掲載される予定っす。

どんな記事が載るのか楽しみっす!

次週の書評ラインアップ→https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/nextweek/

f:id:hakutakusha:20200304172521j:plain

ついでですが、小社の『実録四谷怪談―現代語訳『四ツ谷雑談集』』についての関連記事は下記をご覧ください。↓

https://hakutakusha.hatenablog.com/entry/2019/07/26/130107?_ga=2.28179644.1472052482.1595490378-2043287039.1576316604

『f vision』誌で『最小の結婚』紹介

小社刊『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(エリザベス・ブレイク著/久保田裕之監訳)が『f vision』誌(アジア女性資料センター)第1号で紹介されました。

f vision』誌は、アジア女性資料センターの機関誌『女たちの21世紀』を改題・リニューアルした、フェミニストのための情報誌です。

アジア女性資料センターさんのサイト↓

http://jp.ajwrc.org/3918

f vision』の記念すべき第1号の書評欄「フェミの本棚」欄で、『最小の結婚』が取り上げられました!

紹介してくれたのは本山央子さん(アジア女性資料センター理事)。

本山さんは「一対の性的関係に、生涯にわたる権利と責任をパッケージ化する結婚は、人びとの多様な関係性や価値観に対して、あまりに狭すぎるだ。ならば、結婚をどうすべきなのか?」と問いかけます。

そして、本書の議論の方向性を次のように指摘しています。

「リベラル派政治哲学者による本書は、結婚を、道徳でなく正義の問題として正面から論じ、人びとの多様な「善き生」を支援する結婚へ向けた改革の道筋を示そうとする意欲的な試みである。」

続けて、著者ブレイクが「最小の結婚」を提唱するにいたる本書の論点を端的に示したうえで、「ケア責任が結婚を基盤とする家族に押し付けられるなか、正義という観点から結婚とケアの制度について議論を深めるきっかけとしたい。」としめくくっています。

本山さん、ありがとうございました。

 なお、『最小の結婚』は、新刊書店さんにて定価(4200+)で購入できます。

小社にも在庫は十分にありますので、店頭に見あたらなければ書店を通してご注文下さい。

f:id:hakutakusha:20191118174308j:plain